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人工甘味料はどんなもの?利用するメリット・デメリットは?主な人工甘味料は何?
2023年09月27日
低カロリー飲料などでよく目にする人工甘味料。カロリーゼロなどの表示をみて、思わず手に取った経験があるかもしれません。
ですが、人工甘味料はどのような成分なのでしょうか。
本記事では人工甘味料の特徴やメリット・デメリット、主な人工甘味料、1日の摂取許容量などについて紹介します。
そもそも、甘味料とは?
食品に甘みをつけるための調味料をまとめて甘味料といいます。
甘味料は糖質系と非糖質系の2種類に分けられます。
糖質系の代表は砂糖やブドウ糖などです。
非糖質系甘味料は天然甘味料と人工甘味料に分けられます。
天然甘味料の代表がステビアや甘草です。
後ほど紹介するアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリンなどを人工甘味料といいます。
砂糖以外の甘味料は砂糖の代用として用いられてきましたが、近年は低カロリーで虫歯になりにくい点などが重視され、多用されるようになりました。
人工甘味料の特徴
糖質系でもなく、ステビアや甘草のような天然甘味料でもない人工甘味料はどのような特徴を有しているのでしょうか。
概要やメリット・デメリットについて解説します。
人工甘味料とは
人工甘味料とは、化学的に合成された甘味料のことです。
自然界に存在していないものであり、合成甘味料とも呼ばれます。
砂糖の200倍もの甘味があるため、少量で味付けすることが可能です。
砂糖を使っていない飲料であるにもかかわらず甘いのは、人工甘味料を使用しているからです。
人工甘味料のメリット
少量で甘みを出せるのが人工甘味料のメリットです。
少ない量で済むため、摂取カロリーを抑えられます。
また、砂糖と比べて食後の血糖値が上がりにくいのも大きなメリットです。
肥満や糖尿病の予防・治療の際に非常に有効です。
加えて、砂糖やブドウ糖を含んでいないため虫歯に栄養を供給することがなく、虫歯予防の効果が期待できます。
人工甘味料のデメリット
人工甘味料を摂取しすぎる弊害もあります。
1つ目のデメリットは味覚が鈍る可能性があることです。
強い甘さの刺激に慣れてしまうと、より強い甘みを欲するようになってしまい、味覚が鈍化してしまうかもしれません。
2つ目のデメリットは長期摂取により健康リスクが上がることです。
カロリーが低く血糖値を上げにくいというメリットがある一方で、糖代謝に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
先ほど述べた強い甘みを欲する気持ちが強まり、かえって食欲を増進してしまって肥満の原因となるかもしれません。
代表的な人工甘味料
ここまで、甘味料の種類や人工甘味料の特徴、メリット・デメリットについて紹介してきました。
ここからは、4つの人工甘味料の特色について解説します。
アスパルテーム
アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸を結合させた人工甘味料です。
砂糖の100〜200倍の甘みがあります。
1グラム当たり4キロカロリーと砂糖と比べ物にならないほど低カロリーで、苦みが少なくすっきりとした甘さが特徴です。
1983年に厚生労働省が食品添加物として認可し、世界125か国で使用されています。
アセスルファムK
ジケテンという物質にスルファミン酸を反応させ、無水硫酸などを加えて精製される物質です。
甘味は砂糖のおよそ200倍ですが、すっきりとした甘みを感じます。
1967年にドイツで開発され、その後、添加物の安全性試験の結果を評価するJECFAなどの国際機関で安全性を確認しています。
日本では2000年4月に使用が認可され、世界100か国以上で使用されています。
スクラロース
スクラロースは砂糖を原料として作られた合成甘味料です。
砂糖のおよそ600倍の甘さがあり、砂糖に近い甘さが特徴的です。
日本では1999年7月から使用が認可されています。
世界的に見ても80か国以上で使用が認められています。
人工甘味料とどのように付き合っていくべきか
人工甘味料は自然界に存在しない物質で、人間が人工的に作り出しているものです。
そのため、安全性に不安を持つ人がいるのも当然のことです。
しかし、使い方を工夫することにより肥満や血糖値改善の効果が期待できます。
血糖値を上昇させないことや低カロリーであることを上手に生かすことで健康管理にプラスに効果をもたらせるのです。
とはいえ、大量に摂取しすぎると味覚のバランスが崩れたり、人工甘味料に依存してしまう可能性があるため、適度な量に抑えなければなりません。
まとめ
今回は人工甘味料の特徴やメリット・デメリット、人工甘味料とどのように付き合っていくべきかなどについて解説しました。
高カロリーの食品が増える中、体重コントロールのため人工甘味料は非常に力強い味方となります。
しかし、発明されてから1世紀に満たない歴史しかないため、今後、思いもよらないデメリットが出る可能性も否定できません。
メリットを上手に生かしつつ、デメリットを抑えるため大量摂取を控えて適切に使用するのが無難ではないでしょうか。